殺害されたベトナム人女児リンちゃんの両親がベトナム料理店をオープン

福島県二本松市の岳温泉に１９日、廃旅館を改修したベトナム料理店がオープンする。

　千葉県で２０１７（平成２９）年に起きた女児殺害事件で犠牲となったレェ・ティ・ニャット・リンさん＝当時（９）＝の両親が、
「日本の友達にベトナム料理を作りたい」という娘の思いを継いだ。父のハオさん（４０）は「多くの人に料理を通してベトナムに関心を持ってほしい」と話す。

　店名は「ハオ　グェン　ショップ」。母のグェンさん（３６）とスタッフ４人が約２０種のメニューを提供する。リンさんが好んだ
麺料理「フォー」やサンドイッチ「バインミー」をはじめグリルチキンライス、エビ麺、スムージーもある。

　リンさんには「日本とベトナムの懸け橋になりたい」という夢があった。ベトナムに一時帰国した際は、親族たちに日本の生活を伝えていた。

　事件後に両親は一時は帰国も考えたが、「このまま帰れば、娘に何の報告もできない」と踏みとどまり、２０２１年に千葉県松戸市にベトナム料理店を開いた。

　温泉旅館を営みたいと考えていたハオさんは、岳温泉の自然環境や泉質に着目。昨年秋に旧旅館の「宝龍荘」を取得し、まずは料理店を始めることにした。

　店の営業を通じて「福島は安全で魅力的な場所だと伝え、岳温泉を盛り上げたい」と前向きだ。「ベトナムには温泉が少ない。旅館を開ければ、
来日する観光客も喜んでくれる」と将来を展望している。

　１９日午前１０時にオープンする予定。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1c2f15f0e81cbf8101f6a767d81b3bf1c5613dce