【ペロシ氏訪台】 中国が軍事演習で包囲…日本のＥＥＺも対象、挟まれた与那国島「海保巡視船派遣、自衛隊も準備を」識者

〝台湾緊迫〟中国が軍事演習で包囲　米下院議長の訪問に対抗　
日本のＥＥＺも対象、挟まれた与那国島「海保巡視船派遣、自衛隊も準備を」識者

ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問に対抗して、中国人民解放軍は４日から７日まで、台湾を取り囲むように６カ所の空・海域で「重要軍事演習行動」を実施する。演習の対象エリアには、台湾の領海だけでなく、日本の排他的経済水域（ＥＥＺ）も含まれている。日本政府は中国側に懸念を伝達したが、大丈夫なのか。

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「対象地域の海域にはわが国のＥＥＺが含まれている。実弾射撃訓練という軍事活動の内容も踏まえ、中国側に対して懸念を表明した」「台湾海峡の平和と安定は、わが国の安全保障はもとより国際社会の安定にとっても重要だ」

松野博一官房長官は３日の記者会見で、中国側の軍事演習や、台湾をめぐる米中対立について、こう見解を示した。

注目の大規模演習は、別図のように、台北に近い２カ所や南部の都市・高雄の沖など、台湾を包囲するように台湾海峡や台湾東部の空・海域で実施される。一部は台湾の領海とも重なるが、中国は台湾を自国領と見なしており、中国国防省は「国家主権と領土の保全を断固守る」とうそぶいている。

加えて、演習海域には、日本のＥＥＺも含まれている。中国側が発表した演習エリアは、台湾から約１１０キロの距離に位置する沖縄県・与那国島を南北から挟むように配置されており、同島は戦々恐々としている。

海上安全保障に詳しい東海大学の山田吉彦教授は「台湾については領海内での演習も予定されており、明らかな挑発、挑戦行為だ。国際法上、他国のＥＥＺ内で軍事演習を行うこと自体は認められているが、中国は自国のＥＥＺ内での他国による軍事演習を禁止している」と指摘する。

中国は「重要軍事演習」の期間中は、演習を行う空・海域に船舶や航空機が侵入することを禁じている。

米軍は、台湾やフィリピン周辺の西太平洋に、原子力空母や強襲揚陸艦を中心とする打撃軍を展開して、警戒を強めている。

東アジアで緊迫感が高まるなか、日本政府が伝達した「懸念」に対して、中国側は日本の主張を受け入れられないと表明している。日本はどう対応すべきか。

前出の山田氏は「日本政府には『懸念』や『遺憾』を表明するだけでなく、漁業や天然資源の調査・開発などの権利を守るための具体的な対抗措置が求められる。海上保安庁の巡視船を派遣したうえで、偶発的衝突も警戒して自衛隊が出動できる準備も整えるべきだろう。中国は一度行った行動をエスカレートさせる可能性が高い。演習を行った実績をつくらせない措置が必要だ」と語っている。

https://www.zakzak.co.jp/article/20220804-Y4JR56UKVJLQ5LQYRAO6UQMOLA/
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