誤算続きの東京BRT、1年半遅れで来春豊洲・台場に延伸へ　定時性、速達性になお課題も

東京臨海部と都心を結ぶバス高速輸送システム「東京BRT」を、豊洲・台場方面へ延伸する計画がようやく動きだした。元々は2021年夏の五輪後に開始する予定だったが、数々の誤算に振り回されて難航。今年11月末にバス事業者が運行に必要な認可を国に申請し、来春にも運行が始まる見通しとなった。一歩前進はしたものの、課題は依然として残っている。（特別報道部・岸本拓也）

◆東京五輪後に始まる予定が…
　東京BRTは、タワーマンションなどが次々と建設されて人口が急増している湾岸地域で、交通需要の増加に対応するために東京都が導入を決めた。従来の路線バスより停留所を少なくし、車体を二つつないだ連節バスの導入などで定時大量輸送を目指す試みだ。
　運行は京成バス（千葉県市川市）が担い、晴海?虎ノ門を結ぶプレ1次運行は2020年10月に始まった。21年の東京大会後には、豊洲や台場へ延伸して3ルートにするプレ2次運行を始める予定だったが、なかなか始まらなかった。
◆停留所整備、車庫用地…コロナ禍で予算見直し
　なぜ延伸が遅れたのか。都は、運行に必要な停留所の整備が遅れたことを理由に挙げる。当初は新たに7カ所の停留所を整備して今春にもプレ2次運行を始める腹づもりだったが、工事入札に応じる業者がいなかった。再入札を経て11月にやっと整備を終えた。

　もう一つネックになっていたのが、運行認可に不可欠な車庫用地だ。プレ2次やその後の本格運行で走るバスが増えることを見据えて車庫を拡張する必要があり、都は、晴海で車庫用地を取得するために20年度予算に約130億円を計上していた。
　しかし新型コロナ禍の余波でこの予算は使われずに計画が狂う。都市基盤部交通プロジェクト担当の桂健太郎課長は「コロナ禍でさまざまな予算の見直しが行われ、結果的に予算は執行されなかった」と説明する。
　代わりの車庫用地を巡って、都と京成バスが話し合いを続けたが、利用条件が折り合わず、交渉は長期化。最近になって双方が妥結し、11月29日に京成バスが運行認可を申請した。同社によると、順調にいけば本年度中にプレ2次を始める見通しという。
◆専用レーンなし、新地下鉄の影響は？課題山積
　ようやく動きだした東京BRT。24年春には、五輪選手村を改装したマンション「晴海フラッグ」を通るルートが加わり、本格運行に移行する。
　ただ、課題がすべて解決したわけではない。BRTのシンボルと位置付けられている停留所の大型屋根が設置されているのは新橋のみ。残る停留所にいつ設置されるのかは未定だ。
　輸送能力への懸念もある。公共交通に詳しいジャーナリストの森口将之氏は「公共車両優先システム（PTPS）などの導入は検討されているものの、海外のBRTでは主流のバス専用レーンは整備されていない。連節バスも、多くの人は乗れるが、停留所の乗り降りに時間がかかる」と話し、定時性や速達性の確保に疑問を抱く。
　さらに40年までに開業を目指す東京駅と臨海部を結ぶ地下鉄新路線の計画が進む。森口氏は「BRTと路線がほぼ重なる新線が開業したら、客を持っていかれるのは目に見えている。たとえば虎ノ門止まりとなっているターミナルを、より利便性が良い六本木に持っていくなど、地下鉄と役割分担して共存を図ることが望ましい」と指摘する。

東京新聞　2022年12月19日 12時00分
https://ecsylms1.kj.yamagata-u.ac.jp/webclass/course.php/2212777/manage/?acs_=45e72a92

てか単に地下鉄の路線がぐっちゃぐちゃになってるのを整理できないだけという

二連バスって、あんまりたくさん乗れないね。