海遊館の人気者、ワモンアザラシ「ミゾレ」の巣立ち　繁殖のため北海道へ引っ越し

【動画】https://www.youtube.com/watch?v=uzdgE8A6zhY&t=124s

　日本で初めて、完全に人の手で育てられたワモンアザラシが、大阪市港区の海遊館で人気を呼んでいる。誕生直後に命の危機に陥ったが、飼育員らのサポートですくすくと成長。人なつっこい姿を見ようと、全国からファンが集まる。今月中には繁殖のため北海道へ引っ越す予定で、惜しむ声が後を絶たない。（西晃奈）

　海遊館の一角、ワモンアザラシがいる水槽の前にはいつも人だかりができる。3頭のワモンアザラシが円を描いて泳いだり、水面に浮かんだり。特に注目を集めるのが、2歳のオスのミゾレだ。

　「ミゾレ～、こっち向いて～」。ミゾレが近づくたびに歓声が上がる。自称「ミゾラー」の女性ファンたちで、朝に入館してから閉館までずっと水槽前を動かない人もいる。京都市から毎週通う介護職員の女性（44）は「いろんな表情を見せてくれたり、機嫌が良いと遊んでくれたり、可愛くて仕方ない」。

　ワモンアザラシは本来、警戒心が強く、食事以外にはほとんど人に近寄らないという。なのに、ミゾレは飼育員に自ら体をすり寄せ、ファンにも愛敬を振りまく。背景には、人の手で育てられた生い立ちがある。

　ミゾレは2021年4月1日に生まれた。同館でワモンアザラシの出産は初めてで、飼育員は10日前から24時間態勢で泊まり込んだという。

　午前3時、担当職員の竹内慧（さとし）さん（41）はミゾレの誕生を監視カメラで見守った。体重は平均の半分ほどの2・44キロ。はじめは元気に動いていたが、20分ほどたつと動きが減っていった。

　すぐに駆けつけたが、触ると…

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朝日新聞　2023年11月6日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASRC45QYBRBTOXIE00G.html