【露】ロシアで大流行中の「アダルト向けライブ配信サービス」の闇が深すぎる

COURRiER　12/29(水) 8:00

パンデミックを受け、ロシアではあるサービスが大流行している。モデルが性的な行為をする様子をライブ配信する専用サイトだ。ウェブカメラを使い、国内外の利用者に向けて配信しているという。

ロシア紙「ノーバヤ・ガゼータ」が関係者に取材を続けたところ、記者たちはこのサービスの背景にある暗部まで行き着くことになる。

セックスワークだとは知らずに始めて…
7月半ば、ニージニー・ノヴゴロド市警察は一風変わったクレームを受けた。若い女性からの通報で、ウトゥデナヤ通りとホロドヌイ横丁の交差点にあるオフィスビルから、もう一週間も叫び声やうめき声が聞こえると。通報した女性は出勤時にそのビルの前を通るのだが、誰かが暴力を受けているのではないかと思ったのだった。

だが、現場に到着した警官隊が目にしたのはまったく別のもの──ウェブカム（ウェブカメラ）スタジオだった。

モニター越しに性的サービスを受けることができるウェブカムビジネスは、成長中の風俗産業だ。「モデル」はアダルト向けの専用サイトでライブ中継し、「メンバー（視聴者）」はさまざまな行為に対価を払う。どんな行為ができるのかはモデル自身がメニューを作る。

性的なものがいちばん人気とはいえ、ウェブカムのサービスはそれだけではない。メンバーはただ単に交流を求めてくることもある。業界の代表たちは、ウェブカムモデルは話し相手としておもしろくないといけないと強調し、顧客は高収入の孤独な人たちか、セックスワーカーを相手にして妻を裏切りたくはない人たちだと説明する。

ウェブカムモデルは、自宅か、あるいはスタジオで仕事をする。スタジオ所有者はモデルの稼ぎから30～70％を取り、オンラインライブ用のマンション、または一軒家を貸し出し、PRも手掛け、安全にも配慮する──第一に、スタジオに警察のガサ入れが入らぬよう、第二に、モデルたちの匿名性が保たれるように（ロシアのモデルたちは男女とも外国のサイトで配信したがる）。

最大規模のスタジオはモスクワやサンクトペテルブルクにある。フルサービス付きの「ペンション」をモデルたちに提供しており、滞在だけでなく食事や市外からの送迎まで提供しているのだ。

ウェブモデルの募集は求人サイトのプラットホームで見ることができる。求人告知にはたいてい「ストリーミングサービスのモデル」とか「モデル／ストリーマー」、あるいは単に「ストリーマー」と書かれている。条件は「開放的でコミュニケーション能力があること、英語ができれば歓迎。シフトは自由、高収入保証」。

業務内容の詳細は働き始めてから現場で知ることになる。セックスワークだということは誰も事前には教えてくれない。

この業界で安全性を保証するなど不可能だ。モデルが結ぶ契約は、ほとんどの場合、法的効力をもっていない。そしてその程度の契約でさえ、交わされることは極めてまれだ。女性危機センター「インゴ」の調査データによればわずか24％である。

多くの女性たちが我々の取材に対し、雇用主らは彼女たちを騙して充分な報酬は支払わないくせに「遅刻をした」「仕事に集中しなかった」などと言っては罰金を科すのだと話してくれた。あるモデルは、スタジオの管理人から性的な関係を要求されたという。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/3a9a863beb2040e52c936ac78e882c1d9cb02a3e