【洗脳も表現の自由】ツイッター不適切投稿で岡口判事を訴追　罷免されると法曹資格失い退職金もゼロに…

https://www.google.com/amp/s/mainichi.jp/articles/20210616/k00/00m/040/193000c.amp

殺人事件の被害者や遺族にツイッターで不適切な投稿をしたなどとして、最高裁の分限裁判で2度戒告処分となった仙台高裁の岡口基一判事（55）について、国会の裁判官訴追委員会は16日、罷免を求めて裁判官弾劾裁判所に訴追すると決めた。訴追は戦後10件目（2件は同一人物）で、女性のスカートの中を盗撮した大阪地裁の男性判事補（罷免）以来9年ぶり。弾劾裁判が今後開かれ、罷免するかどうかを決める。

　訴追委によると、過去に訴追された8人のうち、7人が弾劾裁判で罷免された。ストーカーや児童買春などで有罪が確定した裁判官が多く、SNS（ネット交流サービス）の投稿による訴追は初めて。岡口判事の代理人弁護士は「決定は極めて遺憾。裁判官の独立や表現の自由に対する重大な脅威で、ひいては国民の権利に大きな影響を及ぼす」とのコメントを出した。

　岡口判事は東京高裁判事だった2017年12月、東京都江戸川区の女子高校生が殺害された事件について「無惨（むざん）にも殺されてしまった17歳の女性」と投稿。さらに18年5月にも飼い犬の所有権を巡る民事裁判の判決について「え？あなた？この犬を捨てたんでしょ？」などと投稿した。これらの言動で精神的苦痛を受けたとして、遺族と元飼い主らが訴追請求していた。

　16日の訴追委の非公開の会合では、衆参両院議員20人の委員が出席し、採決で訴追に必要な3分の2以上が賛成したという。閉会後、新藤義孝委員長は「詳しい経緯や根拠は弾劾裁判で明らかにされる」と述べた。裁判官弾劾法は、訴追の対象となる行為を過去3年以内と定めており、投稿の一部は期間が経過している。岡口判事は19年11月にも、女子高校生の遺族について「俺を非難するよう東京高裁事務局に洗脳された」などと投稿しており、審議の対象になったとみられる。

　岡口判事は1994年に任官し、東京高裁などを経て19年4月から仙台高裁判事。飼い犬に関する投稿と遺族に対する投稿で、18年と20年に戒告処分を受けた。

弾劾裁判
　裁判官の身分は憲法で保障され、衆参両院議員7人ずつ計14人で構成する裁判官弾劾裁判所で罷免判決が出ない限り辞めさせられない。最高裁や国民の請求で、国会の裁判官訴追委員会が調査し、弾劾裁判所に訴追するかを決める。3分の2以上の賛成で罷免され、不服申し立てはできない。罷免されれば法曹資格を失い、退職金は支払われない。

弁護士と検察官は、あんまりやると必要な職務ができなくなるかもしれない。