中国のGDPを巡るミステリー…「5％成長」は発表1ヵ月前に決まっていた!?

https://news.yahoo.co.jp/articles/48f715a52854fda04da02bff0aace4b8b077f9c7

「物価、就業、GDPを細かく見て、不動産バブルの崩壊なども考えると、GDPの成長率は毎年、3％上乗せされている。すべての統計から3％ずつ引くと、どれも整合性がつくのだ」

このように、中国の高名な経済学者が、「GDPのデータは3％上乗せされている」と暴露したのだ。高氏は直後にワシントンへ出張し、先月12日、ピーターソン国際経済研究所(PIIE)主催のフォーラムでも、同じ話を英語でぶった。

こんなことを言い放って、無事でいられるのかと、老婆心ながら心配になった。果たして、1月8日付『WSJ』(ウォールストリートジャーナル)によると、この行動に習近平主席自身が激怒し、高氏の処分を命じたという。

そもそも「GDP5％成長」というのは、昨年3月5日の全国人民代表大会で、李強首相が行った「政府活動報告」の中で発表した昨年通年の目標値だ。ところが、第1四半期こそ5・3％と「5％超え」を果たしたものの、第2四半期が4・7％で、第3四半期が4・6％。第4四半期も持ち直してきた気配は見えないため、通年での5％目標は困難というのが、世界の中国ウォッチャーたちの共通した見方だった。

ところが、フタを開けてみたら、第4四半期の成長率は5・4％！通年では5・0％で、晴れて目標達成と相成ったのである。

ここからは想像だが、国家統計局としては当初、「ある弁明」を考えていたかもしれない。それは、例えば通年のGDP成長率が「4・8％」になったとした場合に、こう言い繕うのだ。

「通年目標は、5・0％ではなくて、『5％前後』だった。よって通年目標は達成されたのだ」

実は、これはかつて李克強前首相が用いた方便だった。

ところが先月10日に、「事件」が起きてしまう。この日の午前中、人民大会堂で習近平主席が、「1+10対話」で訪中した主要国際経済機関のリーダーたちと会見した。

「1+10対話」というのは、李強首相を中心とする中国側と、10の国際経済機関(新開発銀行、世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関、国連貿易開発会議、国際労働機関、経済協力開発機構、国際決済銀行、金融安定委員会、アジアインフラ投資銀行)のトップが集まった枠組みだ。その場で習主席は、こう豪語したのだ。

「中国は、今年の経済成長目標を実現するのに十分な自信を持っている。引き続き、世界経済の成長の最大の牽引役の役割を発揮していく」

習主席自らが、世界の主要国際経済機関のトップたちを前に、「今年の経済成長目標を実現する」と宣言したのだ。この発言は、CCTV(中国中央広播電視総台)を通じて中国全土でも放映されたから、もし実現できなければ、世界と中国の前で「絶対的な指導者」が「ウソつき」となり恥をかくことになる。

この発言を聞いた時の康義国家統計局長と部下たちの心情は、いかばかりだったろう？彼らは「統計のプロ」であると同時に、習近平総書記に絶対忠誠を誓う中国共産党員でもあるのだ。

私は北京に住んでいた15年ほど前、まだ国家統計局に一般市民を見学で受け入れるなどしていた頃、関係者にこう言われたことがある。

「中国国家統計局は、世界最大の国家の膨大な統計を扱っており、発表されるデータの一つ一つに、局員たちの血と汗が詰まっているのだ」

「5・0％成長」には、どんな「血と汗」が詰まっているのだろう？

誰も疑ってません！

地元の古い友達が故人を偲んで集まったら捕まったとかで無いならだけど