【水産資源】漁師らが未報告の大間マグロ、56トン→88トン　青森県が再調査

青森県の大間産クロマグロの漁獲量の一部を、漁業関係者が県に報告しなかった問題で、県は22日、報告されていなかった漁獲量について、当初公表していた約56トンから約32トン増え、計約88トンに上るとする再調査結果を発表した。

　この問題を巡っては、県警は2月、大間町の水産会社の社長2人を、漁師22人と漁業会社1社と共謀し、2021年7～9月に釣ったクロマグロ計約98トンを、県に報告しなかった漁業法違反の疑いで逮捕。未報告の量について、青森地検は約74トンとして起訴し、青森地裁も判決で約74トンと認定しており、それぞれ量が異なっていた。

　そのため、県は判決確定後の今年8月から再調査を開始。県警の協力を得て新たな資料を入手して調べた結果、判明した未報告の漁獲量は計約88トンで、昨夏の公表時に比べ約32トン多かったことがわかった。

　県は今後、漁獲量を報告しなかった漁業者に対し、停泊命令などの行政処分を検討する。19年分と20年分の漁獲量についても、未報告の有無を調査しているという。

　クロマグロの年間の漁獲枠は、水産庁が都道府県ごとに割り当てている。今回の新たな未報告分の判明により、青森県内の漁獲枠は今年度分以降、差し引かれる可能性がある。

　県水産局の山中崇裕局長は会見で「再発防止策を検討し、同じ事態が再び起こらないよう、漁業者に指導していく」と述べた。（渡部耕平）

朝日新聞デジタル
2023年12月23日 10時45分
https://www.asahi.com/articles/ASRDQ6R9QRDQULUC01G.html