【するりベント酒】 久々の外国機の機内食に戸惑い酒　最大の謎はチューブ入り「炒めコチュジャン」

久々に仕事で韓国に行った。５年ぶりの海外。パスポートが切れていて取り直した。

羽田から金浦空港までは２時間半足らずのフライトなので、機内食なんか出ないと思ったら、出た。エコノミーでも。

行きは日本発だからか、うなぎ弁当だった。ちーさいうなぎ。まぁ、それはいい。タレが全然旨くない。
それよりまずご飯がダメ。かたい。ふっくら度ゼロ。鰻重はごはんが大切なんだと、あらためて思った。
作った方には申し訳ないが、半分も食べず、やめた。蓋する。

でも韓国に着いて取材で食べたものは、全部おいしかった。
とくに朝、ソウル市内で食べた「干し鱈のスープ定食」は、めちゃくちゃうまかった。感動した。

そして、取材が終わり、帰りの大韓航空。すっかり忘れていた行きの機内食を思い出し「出るのかな」と思ったら、出た。
いい予感がしない。行きは午前中、帰りは夜だった。

出たのは、写真のような弁当だ。

仕事が全て終わっているので、飲み物にビールをもらった（「今週のベント酒に書けるぞ」という下心あり）。

しかし、ビールもらったら、テーブルのこの狭さ。右端でフォークとナイフとスプーンの入った袋が落ちそうだ。
せめてビールのコップを断ればよかった。

弁当部を覆っていたアルミホイルの蓋は、折り畳んで弁当の下に敷くしかなかった。それでもキッチキチ。みんなどうしてる。

隣の人は、まず左上のサラダを全速力で食べきり、空の器にフルーツの器を重ねることによって、スペースを確保していた。
彼は飲み物を「いりません」と断っていた。これも狭い土地のゆとり活用のためと、あとで知った。

反対隣の人は（ボクは三人がけで真ん中の席）まず弁当を手に持って、全速力で食べ終わり、器をゴミ箱にしていた。
フォークナイフの袋は、膝の上に敷いたナプキンの上に置いていた。みんなそれぞれに工夫しているのが面白い。

ボクはというと、パンは「やめた」。てか、なぜこのセットにパンがいる？いらんだろう。パサパサだし。
それにこのパン一個にバターの量も多過ぎる。食パン２枚でも多い。バターもテーブルから消える。

サラダのドレッシングも多過ぎる。ボクは必要な分だけかけて、隣の人がまだドレッシングを開けてないのを見て、残りをあげた。
容器の蓋を開けたドレッシングが残っていると、誤ってこぼすのがコワイ。

でもメインの鶏肉と野菜を煮たやつは、肉が焼き鳥みたいな味に焼けてておいしかった。
これがおかずなら、かたいノンふっくら飯でも、イケル。うなぎよりずっといい。

だが、最大の謎は、チューブ入り「炒めコチュジャン」。これ、何に使う。どう使う。実はうなぎ弁当にも付いてた。いらない。
でも今回は一応、鶏肉にちょっとだけ付けて味変してみた。まぁ、悪くはないが、別にいらん。
チューブが旅行用歯磨きセットのハミガキコほどもある。デカ過ぎ。意図、謎。困惑。
でもいろいろ笑えたので、面白弁当。いい肴になった。
■久住昌之

夕刊フジ　2023.9/17 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230917-3JZ7TPP4Y5K7PC4V2PO2CS42EU/