（社説）アフリカ交流 屈せず地道に続けたい:朝日新聞

（社説）アフリカ交流　屈せず地道に続けたい：朝日新聞
https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S16313861.html

2025年10月1日 5時00分

長く積み重ねてきた草の根の交流が途絶えることになっては残念だ。取り組みを否定されることになった日本、アフリカ双方の関係者の心労と無念さは察するに余りある。根拠のない誹謗（ひぼう）に屈することなく、前を向いて粘り強く活動し続けてほしい。

国際協力機構（ＪＩＣＡ）は２５日、国内４市をアフリカ各国の「ホームタウン」に認定した交流強化事業を撤回した。「移民が押し寄せる」などの誤情報で自治体への抗議が殺到し、業務に支障をきたす状況を考慮した。

ＪＩＣＡの田中明彦理事長は「自治体に過大な負担が生じる結果となった」と謝罪した。一方で、関係する自治体での国際交流は今後も促進すると強調した。

事業は、各市とアフリカ各国の人材交流を進めるのが目的だった。８月の第９回アフリカ開発会議に合わせて発表された。千葉県木更津市とナイジェリア、山形県長井市とタンザニア、新潟県三条市とガーナ、愛媛県今治市とモザンビークが選ばれた。

ところが、ナイジェリア大統領府が「日本政府が特別査証（ビザ）の枠組みを作る」と誤った声明を出したことなどを機に、「移民促進策」との誤情報がＳＮＳで拡散した。外務省が「事実でない」と説明しても自治体への抗議の電話やメールは収まらず、「ＪＩＣＡ解体」を求めるデモまで起きた。

事業に選ばれた四つの自治体には、それぞれ対象国との交流の実績があった。

例えば木更津市は、２０１３年に「西アフリカフェスティバル」を開催したことをきっかけに、２１年の東京五輪・パラリンピックでナイジェリアのホストタウンとなった。その後も野球やソフトボールで交流を続けている。

海事産業で知られる今治市は、インド洋に面する物流拠点の港を持つモザンビークとの関係を深めてきた。

こうした経緯を無視した誤解に基づく批判で事業が撤回に追い込まれたことに、憤りと不安を覚える。底流に排外主義的な動きの広がりがあることは否定できない。

自治体の国際交流は、子どもたちが異なる文化に触れ、視野を広げる教育的な意味をもつ。地域の魅力を世界に発信し、特産品の販路を拡大するなど地域経済の活性化にもつながる。

ＪＩＣＡや外務省は、何が足りなかったのか、検証が必要だ。広く国民の納得を得られるよう言葉を磨き、発信を強めるとともに、ネット上で拡散する誤情報には、より機敏な対応を望む。

※関連
EDITORIAL: Continue Africa exchanges rather than give in to xenophobia | The Asahi Shimbun
https://www.asahi.com/ajw/articles/16062988

これ書いてる人間を始めとした推進派が、
ナイジェリア、タンザニア、ガーナ、モザンビークに行って交流すればいいはずだろ

ナイジェリア、タンザニア、ガーナ、モザンビークも、それで外貨を当地に落としたほうが喜ぶんじゃねえか？