韓国流出「ルビーロマン」　現地生産者が証言「苗木は仲買人から購入した」

　●県の調査終結へ

　石川県が開発した高級ブドウ「ルビーロマン」が韓国に流出している問題で、県の調査に対し、現地の生産者や苗木販売業者が「苗木は仲買人から購入した」と話していることが21日分かった。仲買人の国籍などは不明だが、県は韓国で取引があったとみている。現在、仲買人とは連絡が取れなくなっているという。県の担当者は「これ以上流出経路をたどるのは難しい」としており、調査は事実上終結する。

【写真】「ルビーロマン」として流通していた韓国産（右）と石川県産のルビーロマン（左）

　県はルビーロマンの流出を受け、9～10月にかけて現地の協力者に依頼し、流出経路を調査した。この結果、韓国でルビーロマンを生産する農家が3軒確認されたほか、種苗を管理する韓国の「国立種子院」に25社が苗木の販売を登録していることが分かった。

　韓国の生産者と業者に対して、苗木の入手経路について聞き取りしたところ、調査に応じた農家と業者はいずれも「仲買人から買った」と証言した。ただ、仲買人の国籍や、苗木を入手した経緯については不明だという。

　県によると、ルビーロマンの韓国への流出は少なくとも5年以上前とみられている。現地の生産者、販売業者ともに購入から数年が経過しており、現時点ではさらなる調査は難しい情勢だ。

　　●県内の流出情報なし

　県は韓国での調査と並行し、県内の生産者116人と栽培に携わった県職員91人、JAなどの職員41人の計248人に対し、第三者への譲渡や盗難がなかったかについて聞き取りを行った。昨年に韓国でルビーロマンの販売が確認されて以来2度目の調査で、今回も流出に関する情報は確認されなかった。

　韓国では8月末に特許当局が「ルビーロマン」の商標登録を無効とする審決を下している。県はこれを受け、10月に韓国での商標を出願した。海外でのルビーロマンの商標は、すでに取得済みの台湾を含めた48の国・地域で出願や出願に向けた準備を進めている。

　★ルビーロマン　石川県砂丘地農業研究センター（かほく市）が14年かけて開発し、2008年に出荷が始まった。1粒20グラム以上、糖度18度以上などが出荷基準となる。昨年、韓国・ソウルの百貨店で販売されていることが分かり、県が国の検査機関でDNA鑑定を行ったところ、県産と同一品種であることが判明した。

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