長期病休の6割、メンタル不調　21年度・宮城35市町村職員調べ　背景にマンパワー不足

宮城県内３５市町村でメンタルヘルス（心の健康）を損なって職場を１カ月以上離れる長期病気休暇取得者が増え、２０２１年度に長期病休者全体の６割を超えたことが県の調査で分かった。マンパワー不足を背景に、病休者でしわ寄せを受けた職員も休職する「負のスパイラル」が起きているとの指摘も出ている。

欠員カバー負担増
　２１年度の長期病休者は計８１２人で、調査対象職員（１万９５６６人）に対する割合は４・２％だった。２３の疾病分類別に見ると、メンタルヘルスを損なうなど「精神および行動の障害」が５１１人で最も多く、全体の６２・９％を占めた。

　市町村別の内訳は表の通り。メンタルヘルスの不調による病休者は仙台市が１８２人で最も多く、石巻市３８人、登米市３１人と続いた。職員に占める割合を見ると、山元町４・６％、塩釜市４・５％、加美町４・１％の順に高かった。

　長期病休者に占める割合は、七ケ宿、松島、涌谷３町が１００％。塩釜市が９０・５％で続き、加美、大河原２町は８０％台となった。計２９市町で５０％を超えた。

　調査は１３年度に始まり、県には１８年度以降の記録が残る。１８年度と２１年度を比べると、メンタルヘルス不調による病休者は２５市町村で増加し、合計で１・４倍になった。富谷市は４・３倍と増加率が最も大きかった。

　自治体関連の労働組合でつくる自治労県本部は危機感を抱く。岡本雄大書記長は「どの市町村もぎりぎりの人数で業務を回している。病気で欠員が出れば、その仕事をカバーする他の職員の負担が増す」と語る。

　現場が疲弊すれば、事務処理ミスの温床になりかねず、行政サービスの質向上もより難しくなる。岡本書記長は「新型コロナウイルス禍を機に、公務員の数は減らして当たり前との考え方を見直す時期に来ているのではないか」と、公務員数の適正化を訴える。

河北新報　2023年3月15日 6:00
https://kahoku.news/articles/20230314khn000078.html

窓口にくるジジ ババも厄 介そう