戦争経験継承は未来に向けた責任、「否定論」は実証積み重ね欠く 歴史研究者の遠藤美幸さん【戦後80年連載・向き合う負の歴史（6）】

戦争経験継承は未来に向けた責任、「否定論」は実証積み重ね欠く　歴史研究者の遠藤美幸さん【戦後８０年連載・向き合う負の歴史（６）】 ｜ 47NEWS
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Published　2025/06/22 09:00 (JST)

戦友会活動に関わる歴史研究者の遠藤美幸さん＝２０２５年４月、東京都港区

戦争を経験した元兵士の中には戦後、死者の慰霊などを目的とした「戦友会」をつくり、定期的に集まっていた人たちがいた。ある戦友会に世話役として関わり、そこに日本の戦争責任を否定するような主張を掲げる若い世代が参加した様子を目撃したのが、歴史研究家の遠藤美幸さんだ。

元兵士との偶然の出会いがきっかけで戦争について調べ始め、日中戦争などに関する著書もある遠藤さん。元兵士らと長年向き合ってきた経験から生じた思いや、記憶を受け継ぐ意義について語ってもらった。（聞き手・共同通信＝福島聡）

▽託された資料、現場に足運び

日中戦争中に中国雲南省西部の拉孟（らもう）であった両軍の戦闘について調べ、現地も訪ねて著書「『戦場体験』を受け継ぐということ」にまとめました。

約４０年前、航空会社の客室乗務員をしていた時、たまたま知り合った男性客がこの戦闘に関わっていて、彼から大量の資料が送られてきたのです。「後世に伝えてほしい」とのことでした。

日本の部隊約１３００人は大軍に包囲されたが、撤退を許されなかったことを知った。部隊はほぼ全滅しました。
私も標高約２千メートルの拉孟陣地に実際に足を運びました。その陣地内に慰安所があったことを知った。軍が関与しなければ、女性たちはこんな所には来られないと実感しました。慰安所の設置に当たり、軍の関与を示す資料の裏付けもあります。

▽戦友会に若い世代、様子一変

元兵士の集まりである戦友会に世話役として参加して、多くの元兵士の方たちと知り合いました。ある時期から「日本は間違っていなかった」「慰安婦はいなかった」と発言する若者や中年世代の人たちが参加するようになった。そう言えば元兵士が喜ぶと思っているようでした。
でも、元兵士らの思いはそんな単純なものではない。彼らは戦争の現実を直接体験しているわけだから。次第に会の様子が変わって、参加する元兵士や遺族が減っていってしまいました。
戦争の「加害」の側面や「負の歴史」を否定する人たちは、自らに都合のいい資料や証言を持ち出して分かりやすいキャッチコピーを掲げて訴えている印象です。「南京大虐殺はなかった」とか。

▽伝えたいストーリーありき

「うそつき」「偽物」といった言葉も、そういった人たちの得意のフレーズです。同じ資料や証言の使い回しが目立つ。実証的な積み重ねがないように思います。最初から伝えたいシナリオ、ストーリーがあって、それに当てはめていくやり方です。
一方で「加害」に焦点を当てる研究者も、訴えたい仮説が先にあり、それに沿うような資料・証言集めばかりをしていては、そこから抜け落ちてしまう史実もあると思います。

▽反省、検証して引き渡す

（中略）

※全文はソースで。

えんどう・みゆき　１９６３年秋田市生まれ。神田外語大、埼玉大兼任講師。著書に「戦友会狂騒曲」「悼むひと」「『戦場体験』を受け継ぐということ」。

【戦後８０年連載・向き合う負の歴史（７）】に続く
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これまでの連載
【（１）県が撤去した朝鮮人労働者追悼碑は「加害の歴史」伝えるシンボルだった】
【（２）フェミニズムを入り口に慰安婦問題を学ぶ若者たち―東京、５千人学ぶカフェ】
【（３）集団自決の傷痕撮る沖縄の写真家「真実伝え、戦争なくしたい」】
【（４）うそつき呼ばわりされても、７３１部隊の「本当のことを語る」―９４歳の元少年隊員】

※関連
神奈川の人造湖を造った朝鮮人、中国人。碑が傷つけられても地域ぐるみで語り継ぐ　観光地になった相模ダム【戦後８０年連載・向き合う負の歴史（５）】|47NEWS（よんななニュース）:
https://www.47news.jp/12751645.html

事実関係の話をしてるなら嘘つきと言われようが何らダメージがない
嘘つきと呼ばれてダメージがあるのは、根拠も何も無い人間だろう

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