台湾元参謀総長「台湾はウクライナに似たゲリラ戦をやる。日本もやるといいよ」

台湾の蔡英文政権の軍事戦略に大きな影響を与えた李喜明元参謀総長が７日までに、産経新聞のオンライン取材に応じた。李氏は、中国との圧倒的な戦力差からウクライナに似たゲリラ戦による台湾防衛構想を提唱した。将来、日中間の戦力差が現在の中台間のように広がれば、自身の構想は「日本の本土防衛にとって参考にする価値がある」と述べた。李氏が日本メディアの取材を受けるのは初めて。

李氏は２０１７年５月に参謀総長に就任し、「総体防衛構想」を提唱した。台湾に侵攻する中国軍に戦車や戦闘機など同規模の「伝統的戦力」で対抗せず、ウクライナで威力を発揮した安価な歩兵携行式ミサイルなどを活用する「小規模、分散、精密、高威力」の兵力で「非対称戦」を挑む内容。蔡政権は２年後の「国防報告書」で同構想を採用したことを明らかにした。

李氏は「中国の軍事力は過去２０～３０年で大幅に躍進し、伝統的な戦略ではもはや台湾を防衛できない」と明言。台湾は「予算もマンパワーも中国に遠く及ばず、（中国の）侵攻能力の完成が２７年なら、残された時間は少ない」と危機感を示した。

また、米台間には「共通の指揮・通信体制も作戦計画もない」ため、台湾有事で「米国と台湾が共同作戦を行うことは難しい」とした上で、米台が地域を分けて役割を分担することは可能だと指摘。台湾は構想で示した台湾本島周辺を防衛すべきだと説明した。

日本については、台湾有事で「枢要な役割」を担うとしつつも、「台湾を助けてくれるとは思わない」と語った。ただ、介入した米軍を日本が支援する場合、「事前に台湾の防衛戦略を知り準備することが日本の国益になる」と指摘。「日本は台湾との接触を恐れている」が、非公式でも防衛当局間の接触を進めるべきだと訴えた。

その上で、日本は同盟国の米国から標的など必要な情報が得られ、予算も技術力も台湾を上回っているため、反撃能力（敵基地攻撃能力）の保有決定は「台湾と比べれば合理的だ」としつつも、中国の軍事拡張が続き自衛隊との格差が拡大した場合、李氏の構想は日本の防衛力整備の「一定の参考になる」と話した。

https://www.sankei.com/article/20230107-ZYIDPLXLRVMFTEGREBY3MSWWUY/?outputType=amp

香港の例をみても、地獄しかないからな。