パートナーシップ制度の対象に「異性の事実婚」も　盛岡市が5月導入

盛岡市は９日、今年５月に導入予定のパートナーシップ制度について、対象を性的少数者に限定せず、事実婚の異性カップルを含める方針を明らかにした。市によると、事実婚が対象となれば東北で初めてとなる。カップルの子や親を家族として証明する「ファミリーシップ制度」を併せて導入することも示した。

「多くの人が利用できる制度目指す」
　パートナーシップ制度の対象に事実婚を含めている自治体は、全国で横浜市や兵庫県明石市など１０ほどにとどまる。盛岡市での導入が決まれば、東北でも広がる契機になりそうだ。

　同日の市議会全員協議会で、市が要綱案を説明した。制度利用者は２人とも成人で、少なくとも一方が市内在住か、３カ月以内に転入することなどが条件。宣誓届を市に提出し、カード型の受領証を受け取る。

　法的拘束力はないが、住宅の入居や医療機関での受診などの際に受領証を提示することで、家族と同等の関係が認められると期待される。市の担当者は「対象を広げ、より多くの人が利用できる制度を目指している。周知のため広報に努めたい」と話した。

　今後、男女共同参画審議会での検討や意見公募を経て、要綱を策定する。

　パートナーシップ制度はＬＧＢＴなど性的少数者のカップルを婚姻に相当する関係と認めることを目的に、青森県や秋田県など全国で約２６０の自治体が導入。岩手県内では昨年１２月に一関市が導入し、同性カップル１組の申請があったという。

河北新報　2023年2月10日 6:00
https://kahoku.news/articles/20230209khn000028.html