オソキンさん、韓国軍の輸送機に乗り無事イスラエルから退避 安堵の表情を浮かべる

　【ソウル＝小池和樹】イスラム主義組織ハマスとの戦闘が激化しているイスラエルから韓国軍の輸送機で退避した日本人５１人が１５日未明、韓国・仁川（インチョン）のホテルに到着し、緊迫する現地の状況や出発時の恐怖を語った。

　「ほっとしました」。夫と息子（５）と３人で退避したバレーボール選手、オソキン早希（さつき）さん（３５）は読売新聞の取材に安堵（あんど）の表情を浮かべた。

オソキンさんは、ハマスが実効支配するガザ地区から北に約２５キロのイスラエル中部アシュドッドで暮らしていた。７日にハマスの攻撃が始まると、街には空襲警報のサイレンが何度も鳴り響き、その都度、３階の部屋から１階のシェルターに避難した。息子は状況をのみ込めず、おびえていたという。

　事態の悪化を懸念したオソキンさんらは翌日からテルアビブの知人宅に身を寄せ、１４日未明、テルアビブの空港で韓国軍の輸送機に乗り込んだ。空港周辺では爆発音が頻繁に聞こえた。

　「飛行機が標的になるのではないか」。そんな不安が頭をよぎり、離陸する時が一番恐ろしかったという。機内では、同乗した人たちで手をつなぎ、無事を祈った。「ミサイルが届かなそうな高度に達した時、ようやくこれで大丈夫だと安心でき、機内は大きな拍手に包まれた」と振り返った。

　今回の退避は、韓国政府が人道的な観点から日本側に支援を提案。輸送機にはオソキンさんら日本人５１人のほか、韓国人１６３人、シンガポール人６人が搭乗した。

　輸送機は１４日深夜にソウル近郊の軍用空港に着陸。その後、日本人５１人はバス２台に分乗し、仁川空港近くのホテルに着いた。ホテルは在韓国日本大使館が手配した。

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