ウクライナ軍、「レオパルト戦車風トラクター」や「ダンボール製ハイマース」を大量投入

　米ABCニュースなどは7日（現地時間）、チェコの風船メーカー「インフレテック（Inflatech）」がウクライナ特需で利益を上げていると報じた。インフレテックは子供用の風船やオーダーメードのおもちゃなどを製造する企業だが、ロシアによるウクライナ侵攻で「バルーンデコイ」が主力商品になったという。

　インフレテックが製造している「デコイ」は戦車、航空機、米国製の高火力兵器「高機動ロケット砲システム（HIMARS）」などと同じ形に膨らむ。インフレテック最高経営責任者（CEO）のボイチェフ・フレッサー（Vojtech Fresser）氏は製品をウクライナに販売しているかには触れず、戦争が始まってから売り上げが30％以上増えたとするデータを示し、バルーンデコイがウクライナで主に使用されていることを間接的に認めた。

　インフレテックは1カ月で最大50個のバルーンデコイを製造していおり、北大西洋条約機構（NATO）加盟国政府の承認を受けてからは複数の国に販売している。インフレテックが製造する「戦車モデル」の重さは100キロ前後で、4人の兵士がいれば運搬や設置が簡単にできる。設置されたデコイはその破壊に必要なロケット弾よりもはるかに安く、消耗戦となった戦争では経済的に勝利となる。

　フレッサー氏が伝えた内容によると、バルーンデコイの破壊に使われるミサイルの価格は最大で数十倍以上になる。訓練用に製造されるデコイの価格は最大10万ドル（約1400万円）だが、デコイの破壊に使われるミサイルは少なくとも数十万ドル（数千万円）から最大で数百万ドル（数億円）に達する。

　フレッサー氏はメディアの取材に「子供向けの玩具を作ることの方がやはり楽しいが、まずは子供たちのために安全な世界を確保することが先だ。玩具を作るのはその次だ」と語った。

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