イスラエル軍、陽動のため外国メディアにフェイクニュースを流した上でメディア連中の入ってるビルを空爆する 軍「報道官のミス」

【エルサレム＝工藤彩香】イスラエルが１５日、パレスチナ自治区ガザ地区に行った空爆で、米ＡＰ通信などの報道機関が入居するビルを破壊した。陽動作戦のために外国メディアに誤情報を流した疑いも浮上し、国際社会の批判が一段と高まっている。

　イスラエル軍は１５日、「ハマスの拠点がある」として、ＡＰ通信などが入居するビルを攻撃した。報道機関には事前に避難を呼びかけ、記者らに負傷者は出なかったものの、バイデン米大統領は、報道機関が危険にさらされたことに懸念を示した。ＡＰ通信も声明を出し、「世界は、ガザで何が起きているのかを知ることができにくくなる」と抗議した。

また、イスラエル軍は１４日、ツイッターで「ガザで地上攻撃を行っている」と発表した。米紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなどが「地上侵攻」と速報したが、実際は侵攻しておらず、軍が２時間後に情報を訂正した。

　イスラエル主要紙ハアレツは、軍が誤情報を流したのは、ハマスに地上侵攻を信じこませ、戦闘員が前線に集まったところを一斉攻撃するためだったと分析する。

　実際、軍はガザ地区の約１５０か所に対し、４０分間で約４５０発の爆弾を撃ち込んだ。ハマスがロケット弾の発射や輸送に使う地下トンネルの多くを破壊したとしている。

　外国メディアからの抗議を受け、軍は１５日、文書で謝罪した。ただ、誤情報については「報道官の純粋なミス」と釈明した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20210516-OYT1T50151/

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