【韓国】土砂崩れで住宅崩壊1人死亡…手抜き工事疑いで警察が捜査へ　／全羅南道光陽

土砂に飲み込まれた80代女性が死亡、息子は「安易な行政が招いた人災」

民願で危険を指摘も市が工事再開許可

警察「石垣の落下防止措置が適切だったか調査」

　豪雨に見舞われた全羅南道光陽市で6日午前6時ごろ、土砂崩れが発生し、80代の女性が遺体で発見された。遺族は、行政側のずさんな対応が招いた人災だとして怒りをあらわにしている。警察は、集落の裏山の宿泊施設建設現場から土砂が崩れ落ちたとみて、安全管理に問題がなかったかどうか捜査に乗り出した。

　光陽警察署は6日、光陽市津上面で発生した土砂崩れについて、宿泊施設建設工事との関連性や手抜き工事の有無について捜査していると発表した。

　事故が発生したのは6日午前6時5分ごろ。光陽市津上面の集落の裏山から土砂が崩落し、住宅2軒と倉庫3棟をのみ込んだ。事故発生から9時間後の午後3時ごろ、土砂に埋もれた住民の女性（82）が自宅の門の前で遺体で発見された。女性は午前中、一時は電話がつながって生存が確認されていたが、亡くなった状態で発見された。

　現場で救助作業を見守っていた女性の息子（55）は、悲報を聞いて泣き崩れた。息子は「家に設置していた監視カメラで確認したところ、事故発生の20秒前に家を出る姿が映っていた」「音がしたので逃げたようだ」と話した。女性は土砂が家をのみ込む直前、避難しようと家から飛び出したところで被災したとみられる。

　女性の息子は事故について、予想された人災だったと主張した。息子は「行政官庁はあらかじめ（危険が）分かっていたのに、そのまま工事を強行させた」として「民願を提出して工事を中断させたのに、光陽市が工事再開の許可を出した。これは予見された人災だ」と話した。さらに「梅雨の時期に点検していれば、こんな事態は起きなかったはずだ」「大雨でもないのに土砂が流出して発生した事故であり、残念だ」と話した。

　崩落した山の中腹では、建設会社が約3305平方メートル規模の敷地に宿泊施設3棟を建設するために、2019年から地盤を平坦にする作業を行っていたことが分かった。今年1月に作業を終え、着工時期を調整していた。光陽市の許可が降り、完工期限は22年4月30日に決まった。

　住民らもこれまで、光陽市に対し、問題の場所に対する事故防止措置を徹底的に取るよう陳情したことがあったという。

　警察は、工事で削った山の斜面の土砂・石垣がずさんな管理のせいで崩壊した可能性があるとして、許認可書類を確保して分析している。また、この建設業者と設計者を参考人として招致し、事情聴取を行っている。

　警察の関係者は「ずさんな安全管理によって土砂崩れが発生し、直接・間接的な影響を与えたのか、斜面を覆った石垣の崩落防止措置は十分だったのかなどについて調べている」として「専門の諮問団と鑑識の結果を基に、土砂崩れの原因究明に向けて多方面から捜査する予定」と説明した。

パク・ソジョン記者

チョソン・ドットコム／朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/07/06 20:39
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/07/06/2021070680247.html

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