【毎日新聞】日韓改善、国会議員に出番あり

日韓関係は、ようやく正常軌道に戻ってきている――。現場でほっとしたのは、両国の選手たちが和気あいあいとした雰囲気に包まれていたからだろう。

【写真】日韓の国会議員のサッカー親善試合

　サッカーのワールドカップ（W杯）カタール大会で、日本と韓国は共に決勝トーナメントへと進んだ。その喜びに先立つ11月26日、日韓の国会議員有志によるサッカーの親善試合が、ソウルのワールドカップ競技場で開かれた。2002年に日韓両国が共催したW杯の開会式会場となった場所だ。日本からは自民党の衛藤征士郎・元衆院副議長ら超党派の15人が参加。18年に東京で開かれて以来、徴用工問題などで「1965年の国交正常化以来、最悪」と言われるほど悪化した関係や新型コロナウイルスの感染拡大のため開催が見送られていたが、4年ぶりに復活した。

　5月に尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領が就任してから、韓国では関係改善に向けた動きが鮮明になっている。11月3日には、超党派の国会議員で作る日韓議員連盟と、韓国側のカウンターパートとなる韓日議員連盟が、3年ぶりとなる合同総会をソウルで開いた。

　連動するように開かれたサッカーの親善試合でも韓国側の歓迎ムードが伝わってきた。参加した国会議員は30人以上。監督を務めた保守系の与党「国民の力」トップで、韓日議連会長の鄭鎮碩（チョン・ジンソク）議員は「もうすぐ春が来る。かつてのような良い関係に戻るため、互いが本気で努力している」と力を込めた。進歩系の野党「共に民主党」出身で、韓日議連前会長の金振杓（キム・ジンピョ）国会議長も駆けつけて「W杯の日韓共同開催から20年を祝う大会だ」と語りかけた。

　もちろん、日韓間の懸案は両国政府が交渉を通じて解決すべきだ。だが韓国は「隣人」。選挙で国民に選ばれた国会議員による議員外交が、果たすべき役割は小さいとは思えない。

（略）

　岸田文雄首相も、尹大統領も支持率は高くない。最大の懸案である徴用工問題を国内で調整して解決する突破力は十分とは言えない。今は北朝鮮の止まらない挑発に対抗するため、日韓両国が手を組むべき局面。国会議員が大いに側面支援すべきタイミングだ。【ソウル支局長・坂口裕彦】

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12/17(土) 10:00　毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/e69047bfece8c2827d10989d16d58d0d92dcc1da

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