【東京五輪】「感染怖い」「海外観客なし」ボランティア辞退増加

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東京五輪の開幕まで50日余り、大会を支えるボランティアのスタッフも期待を膨らませています。
千葉大学大学院に通う、都築則彦さん（26）は、東京大会を盛り上げようと、7年前に『学生団体おりがみ』を立ち上げ、パラスポーツ企画の運営などをしてきました。
千葉大学大学院・都築則彦さん：「『何をやるか』は、ほとんど情報入ってきてないんですけど、誰と出会えるかというところは、すごくワクワクしています」
都築さんの団体からは、約20人がボランティアとして参加予定です。

千葉大学大学院・郡司日奈乃さん（22）：
「パラリンピックや共生社会、障碍者スポーツに興味のある学生とつながることができる。ボランティア同士の交流が、一番大きいかなと思っています」

ボランティアは大きく『大会ボランティア』と『都市ボランティア』に分かれます。
大会ボランティア（約8万人）は、会場や選手村の中に入り、競技運営のサポートなどを行います。各自治体が募る都市ボランティア（計4万人以上）は、
会場の外で、関係者や観客を誘導する役割などを担います。

日本選手や大会関係者に向けては、ファイザーからワクチン約2万人分が無償提供されることになっていますが、2万人分では、全てを賄い切れません。
『学生団体おりがみ』のメンバーの1人、杉山朋史さん（21）は悩んだ末に、辞退することを決めました。

立教大学・杉山朋史さん：
「都市ボランティアの辞退をするメールは、埼玉県の方に送りました。最初は、本当に4年に一度の祭典が自分が生まれた国でやるっていう、すごくワクワクした気持ちでいたので、
その思いもやっぱりあったんですけど、どうしても自分自身は“怖いな”“不安だな”という思いがあった。アスリートの皆さんの気持ちも考えると『やってほしいな』『観たいな』という思いはあるんですけれど、
それ以上に、オリンピック・パラリンピックによって、万が一、感染が起きて、クラスターが発生して、もっと深刻な状況に陥ってしまうのが怖い」

千葉大学大学院・都築則彦さん：
「（Q.杉山さんの話を聞くと分かる部分もある？）もちろん、そうですね。例えば『ボランティアだけ、ワクチン打ちます』と言われた時に『ズルいだろ、お前ら』みたいな連絡が来るとか、
結構怖い連絡来たりするんです。それを怖がって辞めている人も結構多いと思う。だから、僕は正直、社会というか、人々の目の方が怖い」

レスリング会場などがある千葉県では、都市ボランティアの4割近くにあたる1083人が、31日までに参加を取りやめています。
なかには、得意分野で貢献しようとしていた人もいました。

神田外語大学3年・林丹さん（20）：
「自分は中国語も話せるので、専攻である英米語も生かして、中国語も英語もボランティアで使うというのは、国際的な大会でないとあまり機会はないと思ったので、
オリンピックのボランティアを楽しみにしていました」
しかし、感染の高止まりのほか、海外からの観客を受け入れないこともあって、辞退すると決めました。

神田外語大学4年・鶴田葵さん（21）：
「学校の外となると、英語での交流ってなかなかできないと思うんです。色んな国の方々が集まる場がオリンピックなので、関わりがなくなってしまうのも一つの理由だったのかなって」