【日韓】尹大統領「日韓関係が最も良かった時期に戻したい」…公明・山口代表と会談

　【ソウル＝森山雄太】公明党の山口代表は２９日、韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領とソウルの大統領府で約５０分間会談し、日韓両国の関係改善を進めることが重要だとの認識で一致した。「元徴用工（旧朝鮮半島出身労働者）」訴訟問題では、解決に向けた政府間協議が加速するよう、与党として努力する考えを伝えた。

　山口氏は会談で、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の覇権主義的な動きに触れ、「韓国は安全保障環境の面からも非常に重要な隣国だ。日韓や日米韓の戦略的連携の強化が重要だ」と強調した。自衛目的で敵のミサイル発射拠点などを破壊する反撃能力の保有を明記した「国家安全保障戦略」など安保３文書の閣議決定にも言及し、「今後の議論が、域内の平和に寄与する方向に進むよう努力する」と伝えた。

　韓国大統領府の発表によると、尹氏は「北朝鮮の挑発に直面し、韓日両国は緊密に安保協力を広げていくべきだ。それとともに、韓日関係の懸案が早期に解決するよう努力しよう」と語った。山口氏によると、尹氏は「日韓関係が最も良かった時期に早期に戻したい」とも述べたという。

　日韓間の最大の懸案である元徴用工問題を巡っては、韓国の大法院（最高裁）で２０１８年、日本企業に賠償を命じる判決が確定。日本政府は、判決は１９６５年の日韓請求権・経済協力協定に違反するとの立場だ。韓国政府内では、韓国企業の拠出金を基に韓国の財団が日本企業の賠償を肩代わりする案が検討されているが、この日は具体策に言及はなかったという。

　山口氏は会談後、記者団に「韓国側の日韓関係改善に向けた強い意志が伝わってきた」と語った。山口氏が韓国で大統領と会談するのは２０１７年１１月以来約５年ぶり。山口氏は会談に先立ち、１０月に雑踏事故が発生したソウルの繁華街・梨泰院（イテウォン）の現場を訪れ、献花した。

Yahoo!Japan/読売新聞　12/29(木) 20:48配信
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