【新たな研究で判明】長期の新型コロナウイルス感染後に勃起不全（ED）のリスクが大幅に増加

IJIR: Your Sexual Medicine Journalに最近発表された研究では、研究者グループが米国の大規模な請求データベースを使用して、入院状況と血管収縮薬の投与を考慮して、新型コロナウイルス感染症（COVID）の長期診断後に勃起不全（ED）を発症するリスクを急性COVIDと比較評価しました。

背景
COVID-19の発生以来、7億5000万人以上の感染が確認され、700万人近くが死亡しています。COVID-19後の後遺症は、心血管系、肺系、免疫系、内分泌系、血管系、生殖系、神経系など、多くの臓器系に影響を及ぼします。

これらの影響は、現在急性および慢性感染症に直面している専門家の間で懸念を引き起こしています。

泌尿器科の観点から見ると、患者はCOVID-19後にEDのリスクが高くなります。男性の最大50.3％が感染後3か月以内にEDを発症しました。

長期および急性のCOVIDがEDに及ぼす異なる影響をよりよく理解し、より効果的な予防および治療戦略を導くためには、さらなる研究が必要です。

本研究では、TriNetX COVID-19研究ネットワークの電子健康記録（EHR）と保険請求を使用して、81の医療機関の1億900万人を超える患者を対象とした遡及的コホート分析を実施しました。

対象となったのは、2020年12月1日から2023年6月1日の間に重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（SARS-CoV-2）リボ核酸（RNA）の検査で陽性となり、診断後2週間以内に少なくとも1回の追跡調査を受けた18歳以上の男性です。

研究結果
合計184,253人の男性がこの研究の包含基準と除外基準を満たしました。傾向スコアマッチング前に、2,839人（1.5%）の男性が最初の診断から少なくとも4週間後に長期COVIDと診断され、181,414人（98.5%）は急性COVIDのみでした。

長期および急性COVIDコホートの男性の平均年齢は、それぞれ54.5±16.7歳と55.1±17.1歳でした（p = 0.21）。

この研究では、長期COVIDと診断された男性で統計的に有意なEDリスクの増加が判明した。具体的には、長期COVID患者の3.63%がEDと診断されたかPDE5阻害剤を処方されたのに対し、急性COVID患者では2.61%であった（RR 1.39、95% CI 1.04、1.87）。

結論
要約すると、研究者らは、長期のCOVID感染後にEDのリスクが大幅に増加したことを発見したが、血管収縮薬を投与された人や入院を必要とした人のEDリスクには大きな変化は見られなかった。

これは、ロングCOVIDが性的健康に及ぼす独特の影響を示しています。さらに、ロングCOVID後のED診断率は、小規模コホートで以前に報告されたものよりも低く、一部の研究では50％にも達すると示されました。

Long COVID linked to higher risk of erectile dysfunction, new study finds

Theriskofdevelopingerectiledysfunction(ED)followingadiagnosisoflongcoronavirusdisease(COVID)comparedtoacuteCOVID.

www.news-medical.net

急性期と長期期のCOVID、入院状況、血管収縮薬投与別にSARSコロナウイルス2感染後の勃起不全リスクを比較：米国の大規模保険請求データベース分析
https://www.nature.com/articles/s41443-024-00913-7