【川崎】精神疾患？の長男監禁事件 両親ら刑事責任能力調べる鑑定留置へ　裸の人がいたので付いていくと近所の人だった、と長男見た女性

川崎 長男監禁事件 両親ら刑事責任能力調べる「鑑定留置」へ

http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20220217/1050016351.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

精神疾患とみられる３７歳の長男を、死亡する前、４か月にわたって川崎市の自宅で
手錠などで拘束していたとして逮捕された両親ら３人について、検察は１７日から
およそ４か月にわたって精神鑑定を行い、刑事責任能力を調べることになりました。

川崎市麻生区に住む横山直樹容疑者（７０）と妻の順子容疑者（６５）それに
長女の奈々子容疑者（３６）の３人は、去年９月に死亡した長男の雄一郎さん（３７）について、
死亡するまでの４か月にわたって手足を手錠やロープで縛り、自宅の２階に監禁したとして逮捕されました。

警察によりますと長男には精神疾患があったとみられ、衣服を身につけずに外出して
警察に通報されたあと、監禁が始まったとみられています。
長男はその後、２階から転落したのをきっかけに寝たきりになり、死亡しました。
警察の調べに対し父親は「息子を外に出すと迷惑になると思った」
などと供述して容疑を認め、母親と長女は否認しているということです。

横浜地方検察庁川崎支部は、３人について犯行時の刑事責任能力を調べる必要があると判断し、
１７日から６月までの４か月間にわたって「鑑定留置」を行うことになりました。
専門家による精神鑑定が行われ、検察はその結果などを踏まえて起訴するかどうか判断するものとみられます。

死亡した雄一郎さんの妹の奈々子容疑者と、１０年前まで一緒にカラオケに行ったり、
会食したりしていたという５９歳の女性は、事件について「まさかと思い、本当に驚きました」と語りました。
そして、「ご両親たちの話はしていましたが、お兄さんについて聞く機会はありませんでした。
当時から家のことは言いたくない感じでした。あまり近所と交流するような
家族ではないというのは感じていました」と振り返っていました。

事件現場の近くに住む７５歳の女性は、死亡した横山雄一郎さんが去年５月に裸で外出しているのを目撃したといいます。
そのときの様子について、「裸のまましばらく道に座っていたので、どこの人かなと思いました。
体は細身で、髪の毛が長かったように思います。
あとをついていくと、横山さんの家に入っていくのが見えました」と話していました。
この女性は１５年ほど前にこの地区の民生委員を務めていたということですが、
「横山さんの家を訪ねたことはありませんでした。あまり近所づきあいがない地域で、
道を歩いていてもどこの人か分からないときもあります」と話していました。

【監禁事件の経緯】
事件が明らかになったのは先月末のことでした。
警察によりますと、死亡した長男は、大学生だった１７年前、物を壊したり、大声を出したりするようになりました。
家族から相談を受けた区役所の職員が、医師の診断を受けるよう勧めましたが受診せず、
長男は引きこもる状態になったということです。

去年５月には長男が衣服を身につけずに外出したとして警察に通報がありました。
この様子を見ていたという７５歳の女性は、「裸のまましばらく道に座っていたので、
どこの人かなと思いました。体は細身で、髪の毛が長かったように思います」と話していました。
このときも区役所が家族に医療機関を紹介しましたが受診せず、このあと監禁が始まったとみられています。

長男はロープや手錠で手足を縛られて自宅の２階で監禁されていたとみられ、８月になって、
２階から転落して頭を強く打ったことをきっかけに寝たきりの状態になったということです。
長男は流動食しか食べられないようになり、玄関に敷かれたブルーシートの上で
衰弱していったということで、床ずれからの感染症で９月に死亡しました。
死亡したときの体重は５０キロ台でした。

近所の人たちによりますと事件があった住宅は雨戸が閉められていることが多く、
近隣との交流はほとんどなかったということで、「誰が住んでいるか知らない」と話す人も多くいました。
逮捕された妹の知人も、「あまり近所と交流するような家族ではなかった」と話していました。

精神障碍者と家族の問題に詳しい大阪大学の蔭山正子教授は「精神疾患の患者の家族は
自分たちでなんとかするしかないと抱え込む事がある。悪化したときに
自宅で医療や看護が受けられるような支援を充実させることが必要ではないか」と指摘しています。

02/17 14:31