【大粛清時代幕開けか】中共、台湾人渡航者への取り締まり厳格化 改正「反スパイ法」施行後、スパイ容疑件数が急増

中国の習近平政権が、台湾人渡航者への取り締まりを厳格化させている。
７月の改正「反スパイ法」施行後、中国に渡った台湾人が〝スパイ容疑〟で中国当局に取り調べを受ける件数が急増しているのだ。
台湾の蔡明彦・国家安全局長が４日、立法院（国会）での答弁で明らかにした。
中国は近年、軍事的圧力強化に加えて台湾産食品の禁輸など経済的圧迫も続けており、台湾は神経をとがらせている。

蔡氏によると、今年上半期（１～６月）に台湾人渡航者が国家安全関連で中国当局に取り調べを受けたケースは４件だったが、
中国で７月に改正「反スパイ法」が施行されると、一気に９件発生した。

ターゲットになったのは、社会団体関係者や学者らで、入境審査の際に足止めされ尋問を受けた。
スマートフォンを確認され、過去の政治的言動に中国に対する批判的な内容がないかなどを調べられたという。
いずれも、長期間の拘束はなく台湾に戻った。

蔡氏は、中国が今後３～４年以内に計画する法律改正のうち、３～４割が国家安全関連だと指摘し、
中国の取り締まりは強化されるとの認識を示した。渡航者に対しては、いわれのない罪をかぶせられないよう警戒を呼びかけた。

異様な取り締まりの強化をどう見るのか。

中国事情に詳しい評論家の石平氏は「反スパイ法という『世紀の悪法』が、牙をむき始めた兆しだ。
現時点では尋問などにとどまっても、理不尽な拘束などにエスカレートするのは確実だろう。
反スパイ法の対象は台湾人だけではなく、日本人も拘束されるケースが相次いでいる。
中国国内で高官らが相次いで消息不明になる異常事態も起きているが、習政権による外国人も含めた
『大粛清時代』が幕を開けたのではないかと、強く懸念している」と語った。

夕刊フジ　2023.10/6 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20231006-5UXGMN6GJRLV7FB4P4GY6Q4MFU/