【サッカー】札幌J1残留への“切り札”　新加入のバカヨコ(28)が鳥栖戦デビューへ

北海道コンサドーレ札幌は、16日にサガン鳥栖とホームの大和ハウスプレミストドームで対戦する。新加入のFWアマドゥ・バカヨコ（28）の選手登録が15日に完了し、鳥栖戦で札幌デビューする可能性が浮上。Jリーグ史上初のシエラレオネ国籍のストライカーが今夏6人目の補強選手として、残留に向けた切り札となる。

　バカヨコは札幌・宮の沢での練習でフルメニューを消化し、デビューに向けた準備を終えた。7月28日にチームに合流し、練習試合2試合に出場して2ゴールを決めた。得点力を示してアピール。「やっと試合に出られるのは非常にうれしい。準備はばっちりできている。明日（16日）の試合、チャンスが来たら活躍できるように頑張りたい」と出番を待つ。

　身長190センチでスピードが自慢の長身ストライカー。昨季はスコットランド1部ダンディーでプレーし、37試合6得点だった。出身は西アフリカに位置するシエラレオネ。7人きょうだいの5番目で、子どもの時に内戦によって家族で隣国のギニアに逃げ、その後オランダ、英国に移住した。オランダ時代には同国1部フローニンゲンの練習に参加し、元オランダ代表FWロッベン氏と一緒に撮影した写真は今も宝物。「家族のサポートのおかげで今がある」と語る。

　Jリーグで初のシエラレオネ国籍の選手が誕生した。「とてもきれいな国。国民はみんな優しい」と母国愛がある。「日本人にもシエラレオネに興味を持ってもらえるようになったらうれしい」と日本での活躍を誓う。

　19位鳥栖との戦いは、20位札幌にとってJ1残留に向けて重要な一戦と理解している。FW陣として、ピッチに立てば求められるのは得点。「勝つために頑張る。勝利しか考えていない」と頼もしかった。【保坂果那】

　◆アマドゥ・バカヨコ　1996年1月1日、シエラレオネ・ケネマ生まれ。イングランド・ウォルソールの下部組織から13年にトップチーム昇格。同コベントリー、ボルトン、フォレストグリーンに所属し、昨季はスコットランド1部ダンディーに期限付き移籍して37試合6得点。22年シエラレオネ代表に選出され、国際Aマッチ12試合3得点。190センチ、80キロ。背番号は20。家族は妻と2男。

　◆シエラレオネ共和国　西アフリカに位置し、面積は日本の約5分の1の7万1740平方キロメートル。人口は約814万人で、首都はフリータウン。ダイヤモンド鉱業やコーヒー豆などの農業が盛ん。公用語は英語。91年から02年まで内戦状態だった。サッカー男子代表のFIFAランキングは122位。

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日刊スポーツ