【読売新聞】 ミャンマー国軍が犯罪組織と癒着か、カジノ装い「オンライン詐欺や人身売買」

【バンコク＝佐藤友紀】ミャンマーでは国軍のクーデター後に経済状況が悪化し、市民生活が困難に直面している。
サイバー犯罪の拠点化が進み、勧誘された市民が犯罪に加担するケースが目立つ。
国軍と犯罪組織が癒着している疑いも指摘されている。

タイ側から撮影した、国境沿いにあるミャンマーのカジノ（１月１８日）＝佐藤友紀撮影

　「表向きはカジノだが、中ではオンライン詐欺や人身売買が行われていた」。
ミャンマーのタイ国境付近にあるカジノに勤務していた元警察官の男性（２７）は、読売新聞の取材にそう話した。

オンライン詐欺が行われていたミャンマーのカジノで働いていた男性が記したカジノの周辺地図。
５重の検問所があったという＝佐藤友紀撮影

　男性は仕事をボイコットして国軍に抗議する「不服従運動」に参加し、国軍から追われていたという。
高額の給料で誘われ、２０２２年１１月にカジノの内装関係の職に就いた。

　だが、カジノが入る建物では女性の人身売買が行われ、電気ショックで暴行を受けた人もいた。
同僚は逃亡を図り、国軍傘下の国境警備隊に銃撃された。
国境警備隊はカジノ運営者と連携し、街に通じる道路に５重の検問所を設けていたという。
自身は地元住民の協力で昨年１０月に何とか逃れた。「一度働くと容易に逃げ出せない。自分のような人が多くいる」と話した。

　クーデター前は経済成長が続いていたミャンマーだが、通貨暴落やインフレで市民生活は困窮した。
不服従運動に参加した人の多くは、収入がなくなった。

　こうした状況を利用しているのが、サイバー詐欺などを行う犯罪組織だ。
地元ジャーナリストは「主に利用客が減ったカジノが活動の場として使われている。国軍は黙認している」と話す。
米国平和研究所は、犯罪に中国の犯罪組織が関与し、資金の一部が国軍側に流れていると指摘した。

　国連人権高等弁務官事務所は昨年８月に発表した報告書で、ミャンマーで少なくとも１２万人が
サイバー犯罪に関与させられていると指摘した。
失業などで生活に困窮する市民に仕事を提供するとみせかけ、犯罪行為に勧誘しているという。

　最大都市ヤンゴンの労働組合の組合員（５１）は、「組合員の半数が不服従運動に参加し、今の生活は苦しい。
最近は金が稼げるなら何でもやるようになり、消息が不明な人も多い」と話した。

　ミャンマーを拠点とするサイバー犯罪の被害者の多くは中国人で、実行犯に中国政府が指名手配した人物もいる。
ミャンマーを１月に訪問した中国の孫衛東・外務次官は国軍トップのミン・アウン・フライン氏と会談し、
ネット詐欺などの犯罪活動の取り締まりの協力強化で合意した。

　昨年１０月に国軍への攻撃を始めた少数民族武装勢力の中には、中国と関係が深い勢力もある。
攻撃対象に犯罪組織の拠点も含まれており、中国の意向が働いたとの見方もある。

・軍政への対応定まらず
　【バンコク＝佐藤友紀】ミャンマーはクーデター後に米欧の制裁を受け、中国やロシアとの関係を強化している。
東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）内には温度差があり、軍事政権への対応は定まっていない。
ー後略ー
（国際部　村上愛衣）

全文はソースから
2024/02/02 09:15
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240202-OYT1T50028/

取材能力も分析能力もないな、すべて中国のせいなのに